2019年1月7日月曜日

【企画】犬の椎間板ヘルニアと人の脊髄損傷

犬の椎間板ヘルニアのリハビリテーションを人の脊髄損傷のアプローチから考える

〜人のための研究を獣医療に生かすヒントを探る〜


 獣医療のリハビリテーションでよく遭遇する疾患に「椎間板ヘルニア」があります。犬では、椎間板による脊髄の圧迫で歩行や排泄の障害をもたらす中枢神経障害ですが、人では椎間板が神経根を圧迫してしびれや痛み、筋力低下をもたらす末梢神経障害となります。この違いは人と犬での解剖学的違いに起因しており、病名こそ両者で同じですが、別の疾患だと言えます。獣医療における椎間板ヘルニアと類似するのは、おそらく人の「外傷性の脊髄損傷」であると思われます。

 今、人の「脊髄損傷」のリハビリテーションは、様々な基礎研究や再生医療、ロボティクス技術の進化により、以前の残存機能維持を目的としたリハビリテーションから「脊髄損傷を回復させるリハビリテーション」へ変化してきています。

 日本動物リハビリテーション学会のワーキンググループでは、人の脊髄損傷のリハビリテーション研究者から最先端の治療を学ぶ機会を作りました。人の脊髄損傷の治療を知ることで、犬の椎間板ヘルニアの治療へのヒントを見つけるのが狙いです。


<企画の概要>

(1)【対談】研究者 × 獣医師
・研究者:河島則天 先生
(国立障害者リハビリテーションセンター研究所・運動機能系障害研究部・神経筋機能障害研究室・室長)

・獣医師:植村隆司 先生
(KyotoAR獣医神経病センター、日本動物リハビリテーション学会ワーキンググループ・リーダー)

取材について:
・2018年11月4日
・脊髄損傷者による歩行披露イベント「KNOW NO LIMIT2018」会場にて取材
 イベント主催 J-Workout株式会社(日本初の脊髄損傷者専門トレーニングジム)



(2)【獣医内科学アカデミー内セミナー】
大会:第15回 日本獣医内科学アカデミー学術大会
日時:2019年2月17日(日)13:15-15:00
場所:パシフィコ横浜

タイトル:
重度脊髄損傷後の歩行機能回復に向けた新しいビジョン
− 科学的知見をリハビリテーション臨床につなげる視点 −

講師:河島則天 先生(国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所)

大会公式HP: https://www.jcvim.org


【対談】研究者 × 神経病獣医師 ③

  日本動物リハビリテーション学会のワーキンググループでは、人の脊髄損傷のリハビリテーション研究者から最先端の治療を学ぶ機会を作りました。人の脊髄損傷の治療を知ることで、犬の椎間板ヘルニアの治療へのヒントを見つけるのが狙いです。   ・研究者: 河島則天  先生(国立障害者...